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調達仕様書

実施事項【Step2 構築 2. 仕様書作成・調達】

POINT
  • 医療情報連携ネットワークを構築するシステム事業者を選定するため、計画Stepで決定したシステム化方針をふまえ、調達範囲を決定し、システムに求められる要件を整理した調達仕様書を作成します。
  • 調達仕様書作成にあたり、計画Stepで検討を行う際、実績の豊富な外部事業者に対して、情報提供依頼(RFI:Request For Information)を行い、十分な情報を収集することもあります。RFIでは、調達する案件に関連する情報や構築事例、実績、また他地域の動向など、必要な情報を幅広く集めることができ、それらの情報に基づいて精度の高い調達仕様書を作成することができます。
【留意事項など】
  • 調達仕様書は医療情報連携ネットワークの構築にあたり、システム事業者に対して運営主体としての意思を伝えるものになります。委託する業務内容や要件だけでなく、その背景となる医療情報連携ネットワークの目的や実現したい内容、事業概要を記載しておくと、運営主体の意図と構築されるシステムの乖離を避けることができます。
  • 構築費用が膨れる原因は当初の企画構想段階(計画Step)における検討が不十分であることが考えられます。結果的に、追加経費が発生したり、場合によっては業務に十分貢献しないシステムになるケースもあります。医療情報連係ネットワークの構築における全ての工程において、計画Stepで十分に検討する必要があります。
  • 十分な競争性を確保し、適正な経費でシステム調達を行うためには、精度の高い調達仕様書を作成することが前提となります。調達仕様書の作成にあたっては、以下の点に留意し、要求事項を明確化するとともに、将来的な拡張性などを考慮します。
    • 調達仕様書に関しては、曖昧な表現を排除し、明確かつ具体的に記述する。
    • 情報システムを構築する際は、国際標準又は事実上の標準とされているものを採用し、オープン性を確保する。
    • 委託業者との契約においては、後年の再構築時などにおける紛争を避けるためにも、著作権などの権利関係の帰属や損害賠償責任について明確にする。
  • システムを独自に開発する代わりに、既存の地域医療連携システムを採用することもあります。
調達仕様書に記載する主な項目(独自開発の場合の例)
項目 内容例
作業の概要 背景と目的 地域医療の課題、医療情報連携ネットワークを活用して実現したい内容
業務の概要 業務内容、利用者、業務量、業務手順、成果指標・目標、制約事項
現行システムの概要 概要図
基本方針 医療情報の取扱いへの配慮、参加機関の多様なシステム環境への対応、運用期間、準拠すべきガイドライン
調達の範囲及び情報システム化の範囲 調達の業務範囲、対象業務のシステム化対象範囲
作業内容・納入成果物 契約期間、作業スケジュール、調達方式、作業内容(設計・開発、運用、保守)、成果物(名称、納入期日・方法、納入場所、数量、検収など)
開発するシステムの要件 業務機能要件 システム全体の業務機能構成、個々の業務機能要件の概要
画面要件 全体の画面構成、主要画面のレイアウト・イメージ、入出力項目条件
帳票要件 帳票一覧、主要な帳票のレイアウト・イメージ、出力条件、出力書式、係数の算出方法
情報・データ要件 対象業務のデータ、概念データモデル、属性構成、定義域
外部インタフェース要件 データの授受を行う他システム一覧、対象データ、連携方式、データ量・頻度、タイミング、制約条件等
規模要件 実用上の運用上限値、機能的な上限値、接続端末数、同時利用者数、トランザクション量やデータ量について単位期間内あるいは単位処理あたりの平均値及びピーク集中度の分布特性
性能要件 オンライン処理とバッチ処理それぞれについての性能要件
信頼性要件 日常および障害・災害発生時の業務・アプリケーションの可用性、データ消失対策の必要性
拡張性・柔軟性要件 将来の業務量の増大、ネットワーク接続拠点や端末追加の可能性について対応範囲、条件
システム中立性要件 システムの技術方式や開発言語が特性の製品やベンダに依存しないための要件
事業継続性要件 広域災害や長時間ダウンなどの場合の代替システムの手当や事務再開・事務代行体制に関わる要件
運用性要件 定常運用、随時運用、障害時運用について運用要件の中でシステム構成、運用方式・必要な機能・ツールに対する要件
保守性要件 保守業務の円滑な実施に資するために留意すべき事項
情報セキュリティ要件 暗号化、アクセス制御、利用者認証、参加機関・利用者管理、ログ管理
開発するシステムの稼働環境要件 全体構成 想定する新システムの構成などにおける考え方の記述
ハードウェア構成 稼働環境および主要コンポーネントを示す構成図
ソフトウェア構成 稼働環境および主要コンポーネントを示す構成図
ネットワーク構成 ネットワーク環境およびコンポーネント構成
テスト作業要件 テスト計画書の作成 実施する単体テスト、結合テスト、総合テスト、セキュリティテストについてテスト方針、実施内容および実施理由、テスト工程ごとのテスト計画書の提出、受入テストの支援
テスト実施要件 テスト工程共通要件、テストデータ要件、テスト環境要件、結合テスト要件、総合テスト要件、セキュリティテスト要件、受入テスト支援要件
移行作業要件 ※移行作業がある場合 初期登録データや初期時点でのデータベース格納情報など、新たに用意する必要のあるあるいは既存のシステムから移行するデータの範囲や移行方法、利用ツール、スケジュール
運用保守要件 運用サポート(システムメンテナンス作業、ユーザ研修支援、問い合わせ対応など)、障害時管理体制、監視範囲、ハードウェア保守
開発作業体制および作業方法 作業体制、作業要員に求める資格要件、開発方法、実装方法、作業管理と報告に関する要領、教育と引継ぎ
契約条件など 業務の再委託、知的財産権の帰属、機密保持、情報セキュリティに関する受託者の責任、瑕疵担保責任、法令などの遵守、応札条件、特記事項、妥当性証明
出所:ピックアップ事例の運営主体の調達仕様書および「政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン」(総務省)に基づいて作成
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