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ピックアップ事例

ピカピカリンク(平成22年稼働)
佐賀県診療情報地域連携システム協議会(佐賀県)
0952-97-8286(ピカピカリンクヘルプデスク) 公式ホームページ

※平成29年3月時点
(ただし、登録患者数や参加機関数は、平成28年6月末時点の情報を掲載)

運用Step

1.運用に向けた文書作成

運用に必要な規程類は運営主体で検討、策定した。先行事例として、道南MedIka(北海道)と開示施設の中で唯一ピカピカリンク構築前から情報開示を行っていた白石共立病院を参考にした。

図表 作成した主な文書類
種類 規程名
運用
  • 佐賀県診療情報地域医療連携システム運用規程
個人情報保護
  • 個人情報保護方針
同意 薬局以外用
  • ピカピカリンク説明書(医療機関向け)
  • ピカピカリンク説明書(患者向け)
  • 参加同意書
  • 参加同意書送信票
  • 登録完了通知
  • 参加同意撤回書
  • 参加同意撤回書送信票
  • 参加同意撤回通知
  • 入会申請書
  • 退会届
  • 退会届受理書送信票
  • さがんパス.net登録説明書兼同意書
  • さがんパス.net登録同意撤回書
  • EMS削除・登録連絡票(注)
薬局用
  • ピカピカリンク説明書(患者向け)
  • 参加同意書
  • 参加同意書送信票
  • 参加同意撤回書
  • 参加同意撤回書送信票
  • 入会申請書
  • 退会届
その他
  • EMS機能利用手順書
  • C@RNA Connect連携設定・使用方法
出所:佐賀県診療情報地域医療連携システム協議会ホームページ、ヒアリング結果より作成
  • 注)・EMSとは、救急搬送の場合に同意なしで一時手的に情報閲覧を認め、翌日に同意、正式登録をする患者対応の仕組みを指す。
  • ・C@RNA Connect(カルナコネクト)とは、富士フィルムメディカル株式会社の提供するインターネット予約サービスを指す。

2.システム運用保守体制決定

(1) システム保守業務内容

参加機関は、ID-Link(株式会社エスイーシー、日本電気株式会社)の保守サービス(ヘルプデスクサービス、監視サービス、サービス維持など)を利用できるほか、ピカピカリンクヘルプデスク(NPO法人佐賀県CSO推進機構)の保守運用支援サービスも利用可能としている。

(2) 問い合わせへの対応方針

問い合わせ対応は、NPO法人佐賀県CSO推進機構が協会佐賀県からの委託によりヘルプデスクを設けて対応している。

3.参加機関の募集・説明・契約

(1) 募集方法

運用開始にあたり、参加機関は開示施設の紹介先の医療機関を中心に声かけを行い、プロジェクトリーダーである大学医療情報部准教授及び運営運営主体が開示施設の協力を得て説明会を実施して募集した。

(2) 参加機関への教育、訓練

説明会や勉強会の開催を通じて、教育や訓練を実施している。ただし、ピカピカリンク自体はシンプルな仕組みであり、習熟にはほとんど時間を要していない。

今後、ピカピカリンク研究会(仮称)の開催を予定している。研究会(仮称)を通じて、各参加機関における運用事例やID-Link(株式会社エスイーシー、日本電気株式会社)の最新動向を共有し、ピカピカリンクの有効活用を図りたいと考えている。

(3) 参加機関数

平成28年6月現在、参加機関は241施設(開示施設13施設、閲覧施設228施設)である(うち医療機関は148施設)。全二次医療圏に1つ以上の開示施設がある。

参加率は、佐賀県の医療機関796施設(病院108施設、一般診療所688施設、平成27年10月現在)の約2割であり、一層の普及促進を図っている。

図表:参加機関数(医療圏別)(平成28年6月現在)
参加機関数
出所:佐賀県診療情報地域連携システム協議会提供資料
図表:参加機関数と登録患者数の推移
参加機関数と登録患者数の推移
出所:佐賀県診療情報地域連携システム協議会提供資料
(4) 普及のための取組み

参加機関を増やすことはピカピカリンクの目標の一つであり、医療機関に占めるピカピカリンク参加機関の割合を、平成31年度までに3割とすることを目標に掲げている。

佐賀県からの委託で、NPO法人佐賀県CSO推進機構が普及活動を行っている。運営主体の事務局は規約上、佐賀県診療情報地域連携システム協議会の会長の所属機関が担うことになっており、現在は中核病院である佐賀県医療センター好生館が担っている。中核病院が普及促進などに十分な時間を割くことが難しいため、普及促進組織が運営主体とは別に存在することで、参加機関の患者紹介先など、ピカピカリンクに参加してほしい医療機関に普及促進組織がアプローチするなど積極的な普及促進活動が可能な体制になっている。

また、運営主体では、開示施設や関係団体と協力した勉強会の開催や、ピカピカリンクに参加してほしい医療機関リストを開示施設からもらいアプローチするなどの取組みを行っている。このほか、ホームページやFacebookページの開設・運営、チラシの作成・配布を行っている。また、今後、ピカピカリンク研究会(仮称)の開催を予定している。

4.設備工事・導入

佐賀県診療情報地域連携システム運用規程への了解を前提として、最初に連携を希望する開示施設あてに、診療情報地域連携システム入会申請書を提出。ピカピカリンクヘルプデスクによる説明後に利用IDとパスワードを発行。設置事業者が参加機関への機器設置とシステムの動作確認を行う。

入会申請から実際の利用までの期間は約3週間である。

5.参加患者募集

(1) 同意方法

受診した医療機関において患者が施設単位で情報連携に同意する個別同意である。例えば、退院時に紹介状とともに患者が紹介先に対する同意書をかかりつけ医の診療所に持参すると、当該閲覧施設に対して情報が開示される。

同意方式として包括同意について過去に何度か議論した。実際の要望はこれまでないが、連携先を取捨選択したいという要望が患者にあるのではないかと考え、個別同意にしている。

開示施設、閲覧施設いずれにおいても同意取得を可能としている。開示施設同士の場合はいずれかの施設で同意を取得すると情報は双方向に開示するようにしている。

(2) 同意取得フロー

同意を取得するタイミングは、外来受診後や退院時に紹介状を発行する際などである。医師によっては、同意書と紹介状をセットで患者に渡している。

いずれかの参加機関において、患者に個人情報保護方針と患者向け説明書を用いて説明を行う。患者は同意書に自筆で記入、参加機関が参加同意書送信票とともに連携希望施設にFAX送信する。同意書の原本は参加機関が保管する。閲覧権限の設定は、FAX送受信後に開示施設が行う。

同意を撤回する際は、患者は参加同意撤回書を閲覧機関ごとに作成し、開示施設に提出する。開示施設は参加同意撤回書を受理すると、閲覧権限の設定を変更する。開示施設は、参加同意撤回通知を閲覧施設に通知する。

(3) 同意取得の工夫

各参加機関によって異なるが、開示施設である白石共立病院が医師以外の地域医療連携室スタッフ(看護師や医療ソーシャルワーカー)による同意取得体制を作った。医師に同意説明や同意取得手続の負担をかけない仕組みにより、同意取得が順調に進んでおり、他の参加機関に薦めている。白石共立病院では、開示施設への紹介の場合や、普段はかかりつけ医を受診するが定期的に白石共立病院を受診するような患者については100%同意を取得することを目指している。

(4) 参加患者数

参加患者数は19,497名(平成28年6月末現在)である。参加機関の伸びに比例して増えているため、医療機関への普及促進により参加患者数が増えると考えている。

6.評価・課題整理

(1) 満足度の把握状況

現時点では、満足度の把握を目的とした具体的な取組みは行っていないが、今後、ユーザーの満足度の調査や、閲覧施設から公開要望の多い診療情報をとりまとめ、公開施設に要望するなどの取組みを行う予定である。

BIツール(ビジネスインテリジェンス・ツール)であるQlik Senseのクラウド版を使い、開示情報別の情報アクセスログの取得を始めている。この仕組みを使えば、開示施設ごとに閲覧されている情報が把握でき、閲覧施設のニーズが分かる。閲覧状況を他の参加機関と比較したり、頻繁に閲覧する閲覧施設にヒアリングして開示情報の充実につなげたりするなど、開示施設側の努力を促したいと考えて仕組みを作った。

(2) ネットワーク利用状況

ベンダから毎月月初に前月分のアクセスログデータの提供を受けている。アクセス数は1か月あたり約3,194件(平成28年4月から7月累計12,774件)、アクセス対象の患者数は1ヶ月あたり約222人(平成28年4月から7月累計887人)であった。

(3) 現在の課題と改善の方向性

■ 参加機関の拡大

ピカピカリンクを知らない医療機関に啓発していき、地域完結型医療を実現する有用なツールであると認識してもらいたいと考えている。そのためには、閲覧施設が知りたい情報を多くの開示施設が提供できることが重要である。今後、勉強会を通じ、開示施設側の意識啓発にも取り組むつもりである。

■ 医師への普及啓発

参加機関に所属する医師の中で、ピカピカリンクの利用者は特定の医師に偏っている。運営主体は医師や同意取得の鍵を握る医療スタッフを対象とした説明会を実施し、使い方の説明や操作体験を通じて利用に前向きになるよう取り組んでいる。

■ 自立運用

現時点では、運営主体は全額佐賀県からの補助により運営されている。自立運用に向けて会費制を導入したいと考えているが、そのためには共有情報の充実が必須であると考えているため、開示施設の意識啓発に優先的に取り組み、開示情報の拡大を図る予定である。

7.ネットワーク間連携~アザレアネットとの連携

平成24年頃からくるめ診療情報ネットワーク(アザレアネット)と相互連携について協議を開始、平成25年6月に覚書を締結、同年7月から相互連携を開始した。東部医療圏の鳥栖市は隣接している福岡県久留米市と事実上一つの生活圏となっており、久留米市内の受診患者が多い。アザレアネットの構築過程において鳥栖市の病院が医療連携のトライアルに参加しており、当初から両ネットワーク間で連携の必要性が認識されていた。
>詳細は、アザレアネット「6. ネットワーク間連携」を参照

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