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ピックアップ事例

まめネット(平成25年稼働)
NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会(島根県)
0853-22-8058 公式ホームページ

※平成29年2月時点(ただし、登録患者数や参加機関数は、平成28年6月末時点の情報を掲載)

運用Step

1.運用に向けた文書作成

まめネットに参加する施設への説明資料は、NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会ホームページ(http://www.shimane-inet.jp/dl/mame_yakkan.pdf)に公開しており、参加を希望する施設は、「しまね医療情報ネットワーク参加約款」を熟読したうえで、まめネット利用申請書などをNPO法人しまね医療情報ネットワーク協会へ郵送する仕組みである。

このほか、運用管理規程、アプリケーション利用約款、利用者管理規定、個人情報保護方針などを作成している。

2.システム運用保守体制決定

(1) システム保守業務内容
  • ネットワーク:365日24時間監視
  • ハード保守:365日24時間監視
  • ソフトウェア保守:契約業者営業時間内
(2) 問い合わせへの対応方針

問い合わせ対応は、以下の3つを設置している。

  • まめネットの操作方法など全体に関する窓口
    「まめネットコールセンター」
    窓口開設時間: 平日9時00分~18時00分(土・祝12/29~1/3を除く)
  • ネットワークに関する窓口
    「しまね医療情報ネットワーク接続ヘルプデスク」
    窓口開設時間 24時間365日
  • モバイル端末(iPad)の操作方法に関する窓口
    「KDDIサポートデスク」
    窓口開設時間  9時00分~21時00分(12/29~1/3を除く)

3.参加機関の募集・説明・契約

(1) 募集方法

参加機関の募集は、各圏域での説明会や、地域医師会単位で説明会を行い、まずは医療ネットしまねに加入していた医療機関に参加を呼びかけ加入を促した。また、連携アプリケーションの整備とともに薬局、介護事業所への説明会を順次開催して参加を募った。

(2) 参加機関への教育、訓練

参加機関に対しては、各圏域でまめネットの操作方法など利用に関する説明会を開催した。また、必要に応じて、参加申し込み後に個別に訪問し、説明を行っている。病院においては、病院のシステム管理者へ説明を行い、病院内の教育についてはシステム管理者に一任している。

セキュリティに関しては、まめネット内に「セキュリティe-ラーニング」を整備し参加機関に受講を依頼している。ただし、参加約款の中で実施すべきセキュリティ対策を定めており、それに同意している前提であるため、まめネットを利用するための義務とはしていない。その代わり、全ての参加機関を対象として、島根県が年に1回セキュリティ対策状況について監査を実施しており、その中でウイルス対策の導入状況などをアンケートなどにより確認している。

(3) 参加機関数

参加機関は、平成28年6月末現在で合計769施設であった。開示施設は83施設、サービス利用施設(閲覧施設を含む)が686施設であった。

病院は、開示施設とサービス利用施設を合わせて42施設が参加しており、県内51病院の82%が参加していることになる。また、開示施設については各医療圏の中核病院はほとんどが参加している。なお、開示施設である診療所は電子カルテ導入施設とORCAとMI_CAN 導入施設である。

地域のニーズに応えるサービスメニューを揃えたことで、各施設が自施設のニーズに併せて必要なサービスを自由に組み合わせて選択できることをが訴求ポイントになっている。

図表:参加機関数(平成28年6月末現在)
開示/閲覧 機関種別 参加機関数
開示施設
(151施設)
病院 32施設
診療所 51施設
薬局 68施設
サービス利用施設
(618施設)
病院 10施設
医科診療所 223施設
歯科診療所 9施設
訪問看護ステーション 36施設
介護事業所 317施設
検査センターなど 23施設
合計 769施設
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料より作成

4.設備工事・導入

参加機関が入会申込書を事務局へ提出すると、1か月程度でネットワーク事業者がVPN設置工事を実施する。事務局からは申込後郵送で施設システム管理者と施設ユーザ管理者のID・パスワードが通知される。なお、開示施設(病院)のIP VPN接続・フレッツVPN接続の場合のみ病院のネットワーク保守業者が設置作業を行う。

5.参加患者募集

(1) 同意取得

 同意取得では以下の3点について同意を得ている。

① 事業参加・公開の同意(包括同意)

まめネットに参加している医療機関を受診し、発生した診療情報を「連携カルテ」に登録し、一元的に収集・管理することへの同意を指す。

② 閲覧同意(個別同意)

「連携カルテ」に登録された診療情報を閲覧することについて、患者から許可を得るための同意を指し、施設ごとに閲覧同意を取得する。

全ての参加機関の閲覧について一括で同意を得られると負担が少ないが、患者がコントロール権限をもつべきであると考え、上記の運用とした。

上記の考え方に至った理由は、診療情報は患者本人のものであるという基本的な考え、チーム医療を推進するためには特定の医師だけではなく、医療機関単位での情報の共有が不可欠であるという考えによる。また、これにより、かかりつけ医の変更などにも対応が可能となり、患者の安心感の醸成につながると考えている。

③ 例外的な閲覧に関する同意(包括同意)

  • 個人の特定と紐付のため、システム権限を有する者が個人情報の一部を閲覧することに対する同意
  • 意志表示ができない場合において、緊急に医療上の処置が必要な時に医師が緊急処置に必要な情報を閲覧することに対する同意。
    緊急時の閲覧については、NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会が閲覧状況を監査している。
  • システム管理上やむを得ない場合において、システム管理者が閲覧することへの同意
図表:患者同意取得の種類(赤:事業参加・公開の同意、青:閲覧の同意)
患者同意取得の種類(赤:事業参加・公開の同意、青:閲覧の同意)
出所:しまね医療情報ネットワーク協会「同意説明書」

同意書は、一つの様式ででこれらの同意を同時に取得する形式としており、同意取得時には、同意に関する説明を詳細に記載した「同意説明書」を配付している。

患者より同意撤回の申し出があった場合、サーバにある情報は削除され当該患者情報の閲覧は不可となる。

<同意取得フロー(まめネットカードの配布)>

まめネットでは患者が事業参加・公開の同意をすると、利用者名と共通患者ID(まめネット内の共通ID)が記載された専用カード(まめネットカード)が発行される。

患者が初めてまめネットに同意する場合は、受診した医療機関で同意書に記入、医療機関はあらかじめ配布されているカードに記載されている共通患者IDをシステムに入力、自院の施設管理情報を入力し、確定することで共通患者IDの登録と自院との紐付が完了する。以後、患者の情報は公開されることとなる。

患者が別の医療機関で同意をする場合は、まめネットカードを初診の際に提示し、同意書にサインする。医療機関が共通患者IDをシステムに入力することで患者を検索、紐付を1分弱で簡易に行える仕組みとなっている。紐付が完了すれば、2回目以降はカードの提示は不要となる。

図表:まめネットカード
まめネットカード
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料
図表:まめネットカードの使い方
まめネットカード
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料

医療機関での参加者募集方法は、各病院の窓口で受け付けるほか、NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会から普及員を病院に派遣して、外来患者の勧誘を行っている。また、島根県立中央病院では、まめネット専用窓口を設けて、希望する患者にまめネット登録の案内を行っている。普及員や窓口設置により、医師の診療時間に負担をかけることなく、まめネットへの参加勧奨を行うことが可能となり、まめネットへの患者参加が進んだ。診療所では、窓口での対応が多いが、医師が自ら対応している場合もある。

(2) 参加患者数

参加患者数は、平成28年6月末現在で29,264名である。普及員や専用窓口の設置により、島根県全体で毎月約1,000人から参加同意を得ている。現在は、診療情報を地域内で共有することへの理解も進んでおり、診察時に説明すると患者の積極的な参加が得られる場合もある。

6.評価・課題整理

(1) 満足度の把握状況

満足度の調査は行っていないが、利用者からの問い合わせ対応用に設置しているコールセンターに寄せられた質問、意見、要望などを収集してシステム改善すべき事項を整理している。

(2) 周知、広報

まめネット普及に向けて、下記の周知・広報活動を実施した。

  • ホームページ開設
  • 病院が開催するイベントへのブース出展
  • 集客力のあるショッピングセンターなどでイベントの開催
  • 病院にまめネット窓口を設置
  • 病院へ普及員を派遣
  • 島根県の広報誌に掲載
  • まねネットのポスター、ステッカー、リーフレットの作成(まめネット全参加機関に配布)
  • テレビCMによる広報
  • ケーブルテレビによる特集番組の作成
  • 地元地方紙の特集企画への掲載
(3) ネットワーク利用状況

ネットワークの利用状況は、毎月サービスごとに集計を行い関係者で共有している。

7.ネットワーク間連携~おしどりネットとの連携

島根県安来市は島根県の東端に位置しており、隣県の鳥取県米子市に立地している鳥取大学医学部に多くの患者が流出している。鳥取大学医学部へ紹介した患者の診療情報を閲覧したいと病院から要望があったこと、また、中国地方知事会においても県境を越えた医療情報ネットワークの接続が連携テーマの一つであったことから、県として連携することを決定し、県がおしどりネットの事務局(鳥取大学医学部)と調整を進め、平成28年3月からまめネットのネットワークを介して、おしどりネットに接続を開始した。

患者同意方法や運用ポリシーが異なるため、相手のネットワークにログインして情報を閲覧する仕組みにしており、患者IDの共通化などはしていない。

まめネットからおしどりネットへのアクセス方法は、お互いのセキュリティを確保するためにDMZ(demilitarized zone:非武装地帯)を設け、DMZ内の仮想デスクトップ環境を構築し仮想化したパソコンを介することで直接の通信を行わない方式とした。これにより参加機関のクライアントパソコンの設定変更や追加費用を抑えることができた。DMZ内の接続用の仮想環境用サーバは各病院に1台ずつ、診療所は1台を複数医療機関で共有して利用する。

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