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ピックアップ事例

まめネット(平成25年稼働)
NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会(島根県)
0853-22-8058 公式ホームページ

※平成29年2月時点(ただし、登録患者数や参加機関数は、平成28年6月末時点の情報を掲載)

計画Step

1.地域課題、要求事項の抽出

(1)地理的特徴

まめネットが連携対象としている島根県は、中国地方の日本海側である山陰地方の西部をなす県である。県庁所在地は松江市で、離島の隠岐島、竹島なども島根県の領域に含まれる。地理的に東西に長く、東西を結ぶ高速道路網は未整備のため県内の東西移動に時間がかかる状況である。面積は、大田市以西の西部は県全体の約6割、東部は約4割に対して、人口は西部が3割、東部が7割を占めており、東部に人口が集中している。

島根県内の医療圏は、松江医療圏、雲南医療圏、出雲医療圏、大田医療圏、浜田医療圏、益田医療圏、隠岐医療圏の7つに分かれている。

図表:まめネットの対象地域(地理・交通)
まめネットの対象地域(地理・交通)
出所:島根県「島根県の高速道路の整備状況」
図表:まめネットの対象地域(島根県全域7圏域)
まめネットの対象地域
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料
(2)医療需要

島根県全体では人口が約72万人、高齢化率(65歳以上人口)は29.1%であり、全国平均(23.1%)と比較して高齢化が進行している地域である。また、高齢化率を地域別にみると、松江医療圏、出雲医療圏が26%程度、その他の医療圏(雲南、大田、浜田、益田、隠岐)は、30%超と高くなっている。

図表:各医療圏の人口および高齢化率
島根県
全体
松江
医療圏
雲南
医療圏
出雲
医療圏
大田
医療圏
浜田
医療圏
益田
医療圏
隠岐
医療圏
人口(H22年) 717,397
250,449
61,907
171,485
59,206
87,410
65,252
21,688
高齢化率
(H23年)
29.1% 25.6% 34.4% 26.0% 37.0% 30.9% 33.3% 35.7 %
出所:島根県「島根県保健医療計画(平成25年版)」より作成
(3)医療供給

島根県全体でみると、医師数は充足している。しかし、人口10万対医師数は、構築当時、松江医療圏では242人、雲南医療圏では129人、出雲医療圏では429人、大田医療圏では186人、浜田医療圏では217人、益田医療圏では213人、隠岐医療圏では153人と偏在が認められ、県西部地域の医療を支える中核的な病院においての医師不足が深刻化していた。(構築当時の島根県地域医療再生計画(H23年11月))

(4)医療の課題

ネットワーク構築前は、島根大学医学部附属病院から地域中核病院へ医師を派遣して医師不足地域に対処していたが、平成14年から特定診療科(産婦人科、精神科など)で医師派遣を受けられない状況が続いた。一部病院・診療所へは島根県立中央病院から医師を派遣したが、その他の病院では診療を縮小する事態も起きていた。

島根県では、上記の状況をふまえ、限られた医療資源を有効に活用し、地域医療提供体制の維持確保を行うことを、今後取り組むべき課題として認識し、その解決策として地域医療連携実現に向けた検討を開始した。

2.医療情報連携ネットワークの必要性の検討

島根県は、平成11年から医師不足で診療が困難であった隠岐において遠隔画像診断支援システムの実証(旧通商産業省、平成11年度)を全国初で電子カルテシステムを導入した島根県立中央病院との間で開始、遠隔画像診断の必要性を認識した島根県が実証実験を引き継ぐ形で平成14年9月からまめネットの前身である「医療ネットしまね」の構築を行った。

医療ネットしまねは、隠岐遠隔画像診断システムを皮切りに、病診連携や周産期医療など、地域課題に応じてシステムを構築していき、各システムが連携を図る形で構築され、地域医療体制の維持確保に一定の効果があることが確認された。これにより、島根県では、平成21年に全県を繋いだ医療情報連携ネットワーク事業に取り組むことを決定した。

3.事業概要の決定

(1) 事業立ち上げの目的(ネットワークの必要性)

島根県では、医療機関相互の情報共有、診療情報共有をこれまで以上に促進し、医療機能の分化・連携による地域医療提供体制の確保を図ることを目的として、まめネットを構築することを決定した。

(2) 事業の全体像

まめネットには、中核病院、病院、診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーション、介護事業所、検査センター、行政機関などが参加している。

サービスは、参加機関全てが利用できる「基本サービス」と、参加機関が利用したいサービスを選ぶ「連携アプリケーションサービス」の2種類で構成されている。

<基本サービス>
  • ① 掲示板
  • ② 紹介状サービス
  • ③ 共有ファイルサービス
<連携アプリケーションサービス>
  • ① 連携カルテサービス
  • ② 画像中継サービス
  • ③ 汎用予約サービス
  • ④ ネット健診サービス(H29年4月~健診情報管理サービス)
  • ⑤ 在宅ケア支援サービス
  • ⑥ 調剤情報管理サービス
  • ⑦ 感染症デイリーサーベイランスサービス
  • ⑧ 汎用地域連携パスサービス
  • ⑨ 非常時バックアップサービス
などのサービスがある。

<参考>しまね医療情報ネットワーク協会

図表:まめネットの概要(再掲)
まめネットのサービス概念図
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料
1)連携カルテサービス

複数の医療機関で診療情報を共有する仕組みである。(閲覧可能な診療情報は「3.業務概要の決定(3)共有できる情報項目」参照)

診療所にとっては、紹介先のカルテを閲覧することで、病院で受けた診察内容や検査、処方薬を把握できるため、正確な診断が可能となり、信頼度が上がるという効果がある。

病院にとっては、診療所の過去の処方情報などが閲覧できるため診察しやすく、また逆紹介をする場合は、病院での診療情報を見てもらえるため逆紹介がしやすくなったという効果がある。

2)画像中継サービス

画像中継サービスでは、下記の3機能とインターフェースが利用可能である。特に、遠隔画像診断支援サービスは、離島から送った画像を中核病院が診断する際に多く活用されている。

  • 画像閲覧(紹介状などに添付されたDICOM画像をWEBビューアーで閲覧)
  • 遠隔画像診断(DICOM画像を送信し画像の読影を依頼し、読影結果を送信)
  • PACS間画像伝送(送られてきたDICOM画像を自院のPACSに取りこむ)
  • 連携インターフェースの提供(まめネットと自院の電子カルテシステム間の連携を人の手を介さず自動化するインターフェース)
3)紹介状サービス

紹介状・予約サービスでは、下記の3機能とインターフェースが利用可能である。

  • 紹介状の作成
  • 紹介状の送受信(HPKI電子署名を付与した紹介状の送受信も可能)
  • 紹介状送信時に検査データ、検査画像などのファイル添付
  • 連携インターフェースの提供(まめネットと自院の電子カルテシステム間の連携を人の手を介さず自動化するインターフェース)
4)汎用予約サービス

予約サービスでは、下記の2機能とインターフェースが利用可能である。

  • 診療予約
  • 検査予約
  • 連携インターフェースの提供(まめネットと自院の電子カルテシステム間の連携を人の手を介さず自動化するインターフェース)

紹介サービスと予約サービスをセットで運用することにより、患者紹介の場合、診察をしながら紹介先の予約をリアルタイムで取得できるため便利であり、患者もまめネット参加について納得しやすい効果もある。救急搬送の際は、搬送を優先し、移動中に紹介状を作成すればリアルタイム送信されるため、患者が搬送された時には紹介状が搬送先に送達されている、という使い方も可能である。

なお、病院によっては、他機関からの紹介予約用のオープン枠と自院の予約用のクローズ枠の設定をすることで、紹介患者で予約が埋まってしまうことを避ける運用が行われている。

5)ネット健診サービス

ネット健診サービスは、下記の4機能が利用可能である。

  • 健診結果の入力
    • 血液検査:検査センターから結果取り込み
    • その他検査:医療機関にて入力
        
  • 特定健診実施機関から審査支払代行機関(国民健康保険団体連合会、社会保険診療報酬支払基金)へ請求する請求データの作成
  • 健診結果の電子データ作成
  • 健診結果の管理(過去の健診記録との比較に活用)

特定健診が義務化されたことをきっかけに、健診機関が健診結果を入力することにより健診結果データ・特定健診請求データを作成するサービスを構築した。特定健診では、作成された請求データをNPO法人しまね医療情報ネットワーク協会(請求事務代行機関より受託)が代行して審査支払代行機関に請求を行うことにより健診実施機関の負担を軽減できるため利便性が高く、多くの健診機関が利用している。また、過去の健診結果と見比べて診察できる点においても診療所から高い評価を受けている。また、ネット健診サービスは現在改修を行っており、平成29年4月からは次のサービスを追加して提供する予定である。

  • 健診情報の共有(同意患者に限る)

医療機関が所有する健診情報を一元的に管理することで、医師が患者の過去の健診結果が参照可能となるため、長期的な体調変化や病気にかかった時期の把握につなげることができる。

これまでは、医療機関が個別に管理しており、患者には紙の健診結果を渡す場合が多かったため、データが断片的になりがちであったが、今後は長期的な健診結果の動向をみて診療できるようになり、医療の質の向上につながる。

6)在宅ケア支援サービス

在宅ケア支援サービスでは、下記の3機能が利用可能である。

  • 認定情報提供(要介護認定情報などを保険者から居宅介護支援事業者に提供)
  • ケアプラン交換(ケアプランとサービス提供実績を居宅介護支援事業者と介護事業者とで共有)
  • 在宅ケア情報共有(在宅患者のバイタル、写真・メッセージ、訪問記録、訪問スケジュール、日常生活動作などの情報を、関係する施設間で共有する。また、まめネット専用iPadの貸し出しを行い、利便性を高めている。)

認定情報提供・ケアプラン交換は出雲市が実施していた事業を継承した。これまでは、要介護認定情報の提供やケアプランの交換を紙で運用していたため、訪問や郵送で情報をやり取りする必要があった。しかし、上記が電子化されたことで情報の共有が容易となり、事務の効率化につながっている。

ケアプラン交換は、介護ソフトから出力されたデータを活用して情報共有を行う。介護ソフトから出力する際の標準仕様がなかったため、出雲市が地域内で運用していた独自の仕様をそのまま採用した。このサービスを利用するためには、介護ソフト側が当該仕様に合わせた出力環境を備えていることが前提となる。なお、現在対応する介護ソフトベンダは6社である。

7)調剤情報管理サービス

調剤情報管理サービスでは、下記の5機能が利用可能である。

  • 調剤結果を連携カルテに表示(同意患者に限る)
  • 薬局で他の薬局を含めた調剤の閲覧(同意患者に限る)
  • 薬局で地域をまたがった処方のチェック
  • 病院・診療所へ後発薬変更通知
  • 処方オーダ連携(処方に対する調剤結果を電子データで提供:病院のみ)

これまでは、各薬局が調剤情報を個別に管理していため、同一患者に異なる薬局が重複して薬を投与するおそれがあったが、調剤情報を他薬局のデータを含めて一元的に管理することで、重複投与の防止を行うことが可能となる。

8)感染症デイリーサーベイランスサービス

感染症デイリーサーベイランスサービスは、島根県内の定点医療機関が感染症発生患者数をFAXでの報告に代えてまめネットで入力することで、医療圏別感染症別の患者の発生状況をリアルタイムに確認することができる。圏域ごとの発生状況の分布マップやグラフ表示も可能である。島根県医師会が運営している。

これまでは、定点医療機関(厚生労働省「感染症発生動向調査事業実施要綱」に基づき、感染症の拡大状況を確認するために島根県から指定を受けた医療機関が、島根県(保健所⇒保健環境科学研究所)に1週間単位でFAXにて報告し、島根県が取りまとめた後、県内の医療機関に報告していた。県内の医療機関への報告は発生した翌週になるため、情報が古い場合が多かった。しかし、感染症デイリーサーベイランスサービスを活用することで、リアルタイムで発生状況を把握することができるため、非常に便利になった。また、感染症情報は医療機関が知りたい情報であるため、インフルエンザなど全数報告対象ではない感染症についても、多くの定点医療機関以外の医療機関が任意で報告を行っている。島根県医師会のほか、保健環境科学研究所や保健所なども閲覧し、報告や情報提供などに活用している。

(3)共有できる情報項目

まめネットの連携カルテで共有できる情報項目は、以下の図表のとおりである。

図表:共有情報項目(連携カルテ) (◎…全ての開示施設が必ず提供する、○…開示施設が任意で提供する、×…開示しない)
情報項目 情報の共有の有無
患者基本属性
アレルギー情報
病名情報
カルテ情報 医師記載(2号用紙)
退院時サマリ
看護記録
看護サマリ
経過表(温度板)
手術レポート
透析記録
文書情報
オーダ情報 処方オーダ
注射オーダ
検体検査オーダ
放射線検査オーダ
内視鏡オーダ
生理検査オーダ
入院オーダ
外出先オーダ
転科・転棟オーダ
退院オーダ
食事オーダ
輸血オーダ
担当医情報
検査結果 検体検査結果
細菌検査結果
病理検査レポート
放射線画像
放射線レポート
エコー画像
エコー検査レポート
内視鏡画像
内視鏡検査レポート
生理検査結果
生理検査レポート
心電図波形
服薬指導情報
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料より作成
(4) アクセス制御

まめネットでは、
①まめネットシステムでの職種による利用制限
②各参加機関における利用者選定
を行っている。

①では、利用者登録時に職種を登録し、サービスに応じて閲覧できる職種を決めている。例えば連携カルテの場合は、国家資格を持ち守秘義務を負っている職種(医師、薬剤師、看護師など)に制限している。

そのうえで、②では、各参加機関が施設内でまめネットを利用する者を決め、各参加機関の管理者(施設ユーザ管理者)が施設内の利用者を管理している。

4.事業運営主体の組織の設置

(1) まめネットの事業開始までの流れ(運営主体の設置)

島根県は、平成14年9月から隠岐の遠隔画像診断実証実験を引き継ぐ形で「医療ネットしまね」の構築を行った。

このネットワークを活用して、出雲医師会が中心となり「社会保障カードいずも医療カード実証事業」(厚生労働省、平成21年度)や「絆プロジェクト医薬連携システム」(総務省、平成22年度)、「健康情報活用基盤実証実験」(総務省、平成23年度)などの10以上の国や県の実証事業へ積極的に参加した。このことを通じて、医師会や中核病院、行政、大学、薬剤師会などの協力関係が徐々に構築され、同メンバーで「いずも医療情報ネットワークコンソーシアム」を立ち上げた。

実証事業を実施する中で、ネットワークの構築は地域医療体制の維持確保に一定の効果があることが認められていたため、「いずも医療情報ネットワークコンソーシアム」が県全域でネットワークを構築することを島根県に提案し、新規ネットワークを構築することが決定した。

(2) まめネットの事業推進体制

島根県では、地域医療支援会議において、全県を繋いだネットワーク「まめネット」を構築することを決定した。具体的な検討を進めるため、地域医療支援会議の下に、医師、薬剤師などから構成される医療IT専門部会を設置した。地域医療支援会議でまめネット運営主体を検討し、NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会が選定された。このことにより、県として立ち上げたネットワークであることと、各組織の責任範囲が明確になることから、運用をスムースに行うことができる。なお、各組織の役割分担は下記の通りである。

    <検討・調整組織>
  • 県地域医療支援会議がまめネット構築・運用に向けた全体計画作成を行い、その下部にある医療IT専門部会においてまめネットのネットワーク基盤、基本システムの要件や運営ルールなどの協議を行う。
  • 圏域における協議会(松江、雲南、出雲、大田、浜田、益田、隠岐)は、各圏域で必要な連携アプリケーションサービスの検討を行う。
  • <実働組織>
  • NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会は、協議会が決めたルールに従い、ネットワーク基盤や基本システムの構築・運営および連携アプリケーションサービスの構築・運営、ネットワーク推進を行う。
  • 島根県医師会は、感染症サーベイランス事業の運営を行う。
  • <調整・支援>
  • 島根県は事務局などの形で各組織間の調整・支援を実施する(詳細は「(4)地方公共団体の関与」を参照)。
図表:事業推進体制のイメージ図
事業推進体制のイメージ図
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料
(3) 運営主体(NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会)の組織

NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会は、総会及び理事会で構成され、医療IT専門部会で決定された内容をふまえて、運営方針を決定している。

図表:運営主体の組織構成
しまね
医療情報
ネットワーク協会
組織 構成員 機能 開催頻度
総会 正会員 協議会全体の議決権を持つ。
  1. 事業報告および収支決算
  2. 入会金および会費の額
  3. その他運営に関する重要事項 など
年1回
理事会 理事
監事
下記事項の議決権を持つ。
  1. 総会に付議すべき事項
  2. 総会の議決した事項の執行に関する事項
  3. 事務局の組織および運営に関する事項
  4. その他総会の議決を要しない業務の執行に関する事項
不定期開催
※事務局・・・ネットワークの円滑な運営を図るため、事務局長1名(理事が兼任非常勤)、職員3名(専任)の合計4名体制を取っている。 出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料より作成
(4) 地方公共団体の関与

島根県は、会議体事務局・関係者調整支援を実施した。

図表:島根県の支援内容
島根県の役割 支援先 支援先の役割
関係者調整支援 事務局 島根県地域医療支援会議 まめネット構築・運用に向けた全体計画作成
医療IT専門部会 まめネットのネットワーク基盤、基本システムの要件や運営ルール作成
調整支援 太田・出雲・雲南・松江・隠岐・益田・浜田の各医療圏の協議会 連携アプリケーションサービスの検討
運用支援 NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会 システムの運用、ネットワーク推進、普及活動
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料より作成

5.個人情報保護方針などの作成

参加が想定される医療機関のポリシーをふまえ、個人情報保護方針、セキュリティポリシー、運用管理規程を作成した。なお、個人情報保護方針は一般公開されているが、セキュリティポリシー、運用管理規程はNPO法人しまね医療情報ネットワーク協会ホームページの会員のみに公開している。

<<個人情報保護方針>

6.ガイドライン・標準規格などの確認

(1) ガイドラインの確認

医療情報連携ネットワークの構築・運用にあたり遵守すべき国のガイドラインを確認し、調達仕様書を作成する際は、準拠することを明記した。

図表:採用した規格一覧
# 文書名称
1 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」
2 総務省「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」
3 総務省「ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン_第1.1版」
4 経済産業省「医療情報を受託管理する情報処理事業者における安全管理ガイドライン」
5 経済産業省「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン第2版
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料より作成
(2) 標準規格の確認

標準規格を確認した上で、以下の規格を採用した。

図表:採用した規格一覧
規格採用範囲 規格内容
患者ID管理 地域医療連携における情報連携基盤技術仕様V2.0
(PIX,PDQ)(厚生労働省標準規格)
利用者認証 SAML(OASIS標準規格)
※シングルサインオン認証方式
連携データの保存形式 SS-MIX2ストレージ仕様書および構築ガイドライン
(厚生労働省標準規格)
コードマスター
・病名 独自
・処方 YJコード※医薬品コード
NSIPS※調剤システム共有IF仕様
・検査 独自
・画像 医療におけるデジタル画像と通信(DICOM)
(厚生労働省標準規格)
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料より作成

7.システム化方針決定

基本システム(ネットワーク基盤、サービス基盤、基本サービス)と連携アプリケーションサービスで構成し、基本システムのサービス基盤は連携アプリケーションに必要なインターフェースを公開することで、特定のベンダに関わらず参加できる仕組みとすることとした。

また、連携アプリケーションサービスについては、医療機関のニーズに応じて選択できるよう複数サービスを選択できるようにした。

サービス基盤を統一することで、連携アプリケーションのシステムをスリム化することができ、管理がしやすくなり、各圏域や参加機関のニーズに答える連携アプリケーションを構築する際に効率的であると考える。

8.事業計画・収支計画立案

(1) 構築費用

全体の初期構築費用は434,000千円である。

(2) 構築費用の負担配分

構築費用については、島根県地域医療再生計画事業費補助金の予算で全額構築した。また、開示施設の電子カルテをSS-MIXの出力を行うことができるよう対応させるための改修費についても県が補助した。

島根県の役割 支援先 支援先の役割
基本システム構築費、運営費補助
連携アプリケーション構築補助
NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会 基本システムの構築・運営、連携アプリケーションの構築・運営、ネットワーク推進、普及活動
連携アプリケーション構築費補助 島根県医師会 感染症サーベイランスサービスの構築・運営
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料
(3) 運用費用

平成27年度に発生したネットワーク運用費用(事業費)は235,090千円である。

(4) 運用費用の負担配分の決定方法

運用費用の負担配分は、医療IT専門部会にて検討し決定した。まめネットは全県のネットワークであるため、公共のインフラとして基本システムは島根県が負担し、各圏域のニーズにより構築された連携アプリケーションは利用者が負担をすることとした。

(5) NPO法人しまね医療情報ネットワーク協会の歳入

平成27年度におけるNPO法人しまね医療情報ネットワーク協会の歳入は、225,346千円であった。

(6) 利用料金(平成27年度)

まめネットの基本サービス料金は540円/月であり、別途VPN利用料などを負担する。まめネットでは、様々な連携アプリケーションサービス(料金は施設種別ごとに設定)やオプションサービスを提供しており、追加料金を支払うことにより利用することができる。

例えば、診療所(閲覧施設)の場合、基本利用料(基本サービスの利用とオンデマンドVPN利用料)1,080円、連携アプリケーションサービスの中から連携カルテサービス550円、汎用予約サービス258円を申込んだ場合は、月額合計1,888円となり、月額合計2,000円を下回る安価な料金で利用することができる。また、特にニーズが大きいネット健診サービスは、健診1件あたりの料金を250円以下の従量制とし、参加しやすい料金設定を実施した。

図表:ネットワークの利用料金(月/税込8%)
項目 費用
負担者 金額
基本サービス利用料 全施設 540円
オンデマンドVPN接続利用料
IP VPN接続利用料
フレッツVPN接続利用料
全施設 540円
5,400円
6,372円
通信回線利用料 全施設 各施設にて契約
連携アプリケーションサービス利用料 サービス申込施設 下表参照
オプションサービス利用料 サービス申込施設 下表参照
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料より作成
図表:連携アプリケーションサービスの利用料金((税込8%))
連携アプリケーションサービスの利用料金((税込8%)) 連携アプリケーションサービスの利用料金((税込8%))
出所:しまね医療情報ネットワーク協会提供資料
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