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びわ湖メディカルネット(平成26年稼働)
特定非営利活動法人滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会(滋賀県)
077-582-5215 公式ホームページ

※平成28年9月1日時点のインタビューの結果を掲載しています。
(ただし、登録患者数や参加機関数は、11月15日時点のものを掲載。)

運用Step

1.運用に向けた文書作成

参加機関が円滑に手続を進めることができるよう、以下の内容のびわ湖メディカルネット・淡海あさがおネットシステム研修会用資料を作成した。

  • 医療情報連携ネットワークの目的について
  • びわ湖メディカルネット・淡海あさがおネットの利用イメージ
  • 必要な準備、運用について
  • 必ず守っていただきたいことについて
  • 問い合わせ・障害受付の運用方法
  • 導入初期費用および利用料について

その他運用に向けて下記の文書類を作成した。

図表:運用に向けた文書類
種類 規程名
組織、運用
  • 設立趣旨書
  • 定款
  • 運用管理規程
個人情報保護
  • セキュリティ基本方針、個人情報保護方針
入会
  • 様式1号 情報提供システム参加申込書
  • 様式2号 情報提供システム脱退申込書
  • 様式3号 閲覧施設参加申込書
  • 様式9号 閲覧施設脱退申込書
利用
  • 様式4号 利用者参加申込書
  • 様式5号 個人情報取扱い誓約書
  • 様式6-1、2号 VPN導入作業依頼書・ヒアリングシート
  • 様式7号 パスワード初期化依頼書
  • 様式8号 利用者登録内容変更申請書
  • 様式10-1号 利用者脱退申込書
  • 様式10-2号 利用者脱退申込書(提供病院用)
同意書
  • 様式11号 患者同意書
  • 様式12-1号 患者情報利用停止申請書
  • 様式12-2 患者情報削除申出書
出所:滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会HPより作成

2.システム運用保守体制決定

(1) システム保守業務内容

利用者は、障害発生時に操作マニュアルや障害時の対応マニュアルを活用して一次的な問題解決の対応を行い、解決しなかった場合に全県協議会事務局へ連絡する。全県協議会事務局は障害の内容を確認して切り分けをし、システム障害は日本電気株式会社、ネットワーク障害は株式会社ケイ・オプティコムに連絡をする。


■ システム障害

  • ソフトウェア保守:平日9時00分~17時00分
  • ハード保守:24時間365日

■ ネットワーク障害

  • ソフトウェア/ハードウェア保守:24時間365日

なお、障害内容の確認や切り分けにおいて、障害などの状況が聞き取りや画面データの送付などによって十分に把握できないときは、各情報開示病院の電子カルテ保守業務事業者や閲覧施設接続業務委託事業者へ協力を依頼することとしているが、迅速な対応が必要であるなどの特別な事情がある場合は、全県協議会事務局から係員を当該施設に派遣して、具体的障害を確認する。

図表:保守フロー
保守フロー
出所:滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会提供資料
(2) 問い合わせへの対応方針

全県協議会事務局が受付窓口を設置して、問い合わせや障害時の連絡業務を行っている。
(平日9時00分~17時00分)

3.参加機関の募集・説明・契約

(1) 募集方法

全県協議会では、運営委員会で周知や広報の方策を協議・検討するとともに、各情報開示病院、医師会などの関係団体、各医療圏協議会、県行政などの協力を得て、下記の周知・広報活動を実施した。

  • 全県協議会ホームページ内での広報
    びわ湖メディカルネット紹介、各種お知らせ、情報開示同意のお願い、利用参加促進などを内容としたもの。
  • 医療機関へのポスター掲示
    各開示施設、各閲覧施設、関係団体、行政機関に掲示、びわ湖メディカルネットの紹介、情報開示同意のお願い、利用参加促進などを内容としたもの。
  • 医療機関へのパンフレット配布
    各開示施設、各閲覧施設、関係団体、行政機関に掲示、びわ湖メディカルネットの紹介、情報開示同意のお願い、利用参加促進などを内容としたもの。

その結果、情報開示同意患者については、医療圏域による差異はあるものの、情報開示病院が病院退院時に患者の同意が得られるよう取組をはじめたことから、順調に増え続けている。一方、閲覧施設の利用参加状況は、各医療機関の主体的な判断に委ねていることから、積極的な活用の意思がない限り参加しない実態があり、特定の医療圏を除いて、低位な状況にある。

現在、利用促進を図るため、びわメディカルネットの試用期間を設けるなどの工夫を実施している。また、今後は団体単位での利用参加などを検討することとしている。

図表:ポスター内容
ポスター内容
出所:滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会提供資料
(2) 参加機関への教育、訓練

システム利用申し込み時に、びわ湖メディカルネット・淡海あさがおネットシステム研修会用資料を活用した初期システム研修(1時間程度)の受講を義務付けている。また既にシステム導入を終えた利用者を対象に、個人情報保護にかかる取扱や情報セキュリティに関するより充実した研修を実施することとし、その方法として、講義形式の研修会の開催のみでなくe-learningを活用した研修や講習なども検討している。

(3) 参加機関数

平成28年11月15日現在で、開示施設では22病院、閲覧施設では、11病院、112診療所、28薬局、5訪問看護ステーションの合計156施設がびわ湖メディカルネットに参加している。県内の300床以上の医療機関は全て参加している。また、閲覧施設数を地域別に比較すると、湖北医療圏および湖東医療圏に参加機関が集中しており、全体の半数程度を占める。

図表:参加機関数(平成28年11月15日現在)
開示/閲覧 機関種別 参加機関数
開示施設
(22施設)
病院 22施設
閲覧施設
(156施設)
病院 11施設
診療所 112施設
薬局 28施設
訪問看護ステーション 5施設
合計 178施設
出所:滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会提供資料

4.設備工事・導入

情報開示病院においては、各病院で地域医療連携システム(HumanBridge(富士通株式会社)やID-Link(株式会社エスイーシー、日本電気株式会社))の導入を進める一方、全県協議会ではびわ湖メディカルネットのネットワーク基盤への接続工事(機器の設置・設定)や、地域医療連携システムの操作研修、病院関係者を対象とした初期システム研修を実施した。

閲覧施設においては、利用参加者が初期システム研修会を受講した後に、利用者IDと初期パスワードが発行され、全県協議会が業務を委託した事業者が閲覧施設へ出向き、利用端末機器のネットワーク環境のチェック、端末へのVPN導入作業、システムの動作確認を実施した。

5.参加患者募集

(1) 同意取得
1)同意方法

びわ湖メディカルネットにおける同意取得方法は、情報を閲覧する施設ごとに同意を行う施設同意である。

湖東・湖北医療ネットでは各参加機関内利用者ごとに同意を得る個別同意方式であった。従って、びわ湖メディカルネットへ移行する際は、患者に同意範囲の変更を周知し、了解の得られなかった患者を除いて、施設同意での運用に変更している。(基本的に同意書を取り直さないとしていたが、一部の病院では再度同意書を取得している。)

2)同意の種類

びわ湖メディカルネットでは、 「登録の同意」と「閲覧の同意」の2つの患者同意を取得する必要がある。

登録の同意は、開示施設に保管されている患者の個人情報(基本情報)と、受診履歴情報(受診年月日、受診医療機関名)がびわ湖メディカルネットに登録されることに対する同意である。一方、閲覧の同意は、登録された診療情報について、利用者が閲覧することに対する同意を得ることである。

登録の同意と閲覧の同意は一葉の同意書において取得できるようになっており、診療情報の閲覧を必要とする場合において、関係医療機関の依頼により、取得している。

閲覧の同意では、個人情報流出への懸念や特定医師に見せたくないなどの理由で、同意をためらう患者も存在した。そこで、正確な情報が参加機関内の関係者に伝わることが適切な医療につながることを主治医から丁寧に説明するようにしたところ、多くの患者から同意を得られるようになった。

図表:同意の種類
同意の種類
出所:滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会提供資料
3)同意取得フロー

全県協議会にて説明書、患者同意書の様式を作成し、各閲覧施設と開示施設で患者からの同意取得を実施ししている。

いずれの地域も、医師の不足から、医療機関連携を促進することが不可欠となっており、医療圏ごとに同意取得の工夫をしている。例えば、湖西医療圏は、開示病院が退院手続の書類を記入する際に、びわ湖メディカルネットの説明と同意取得をあわせて実施するようにしたことで、同意患者数が急速に増加した。

主なフローは下記のとおりである。

  • ① 病院・診療所への受診や病院の入院・退院時の説明などの場面で、医師や看護師、地域連携の担当者などが、患者さんや家族の方々にびわ湖メディカルネットの趣旨を説明する。
  • ② 患者さんに同意書に必要事項を記入してもらい(あらかじめ、病院などで必要事項を電子カルテなどが記入しておくことは可能。)、最後に患者さん本人もしくは代理者(家族など)に署名してもらう。(複数の開示施設へ情報開示依頼を行う場合は、必要枚数作成する必要がある。)
  • ③ 作成後の同意書は、複写(一部)を患者、もしくは代理者に渡す。また、情報開示を依頼する各開示施設の地域連携室までFAXなどにて送付する。
  • ④ 同意書原本は、各月の月末に一括して、情報開示依頼を行った各開示施設の地域連携室へ郵送する。
図表:同意書
同意書
出所:滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会提供資料
(2) 参加患者数

参加同意患者数は、滋賀県全体で、平成28年11月現在、約13,500人であり、滋賀県全体の推計患者数(平成26年度患者調査に基づく推計値)約84,000人(入院、外来)と比較すると約16%である。

医療圏別に比較すると、湖北医療圏が約6,500人と最も多く、次いで湖東圏が約2,800人、湖西が約2,650人であった。湖北・湖東医療圏は、先行して湖東・湖北医療ネット構築を進めており、ニーズも高かったため、他の地域と比較して患者数が多い。

また、湖西医療圏は、開示施設が退院手続の書類を記入する際に、びわ湖メディカルネットの同意取得をあわせて実施するようにしたことで、登録患者数が急速に増加している。

なお、参加同意については、今後、病病、病診連携などが必要な多くの患者から取得することが重要である。このため、毎年、推計退院患者数の十数%(25,000~30,000人)を目標に同意の取得を進める必要があり、情報開示病院からの退院時(逆紹介時)に積極的に取得できるよう、取組を進めることとしている。

図表:参加患者数(医療圏別)
  滋賀県
全体
南部 東部 北部 西部
大津
医療圏
湖南
医療圏
甲賀
医療圏
東近江
医療圏
湖東
医療圏
湖北
医療圏
湖西
医療圏
実登録患者数
(H28年11月)
13,451人 324人 314人 132人 612人 2,797人 6,563人 2,652人
出所:滋賀県医療情報連携ネットワーク協議会提供資料より作成

6.評価・課題整理

(1) 満足度の把握状況

問い合わせ対応時の相談内容は記録・整理しているが、満足度を把握するための項目は無く、調査なども実施していない。

(2) 医療情報連携ネットワーク利用状況

システム・ネットワークベンダからの報告により把握している。

利用回数は、利用者によりゼロから月十数回まで開きがあり、地域によって格差があるが、特に湖東、湖北、湖西の医療圏においては高い利用頻度となっている。

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