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ピックアップ事例

アザレアネット(平成24年稼働)
くるめ診療情報ネットワーク協議会(福岡県久留米市)
0942-34-4163 公式ホームページ

※平成29年2月時点
(ただし、登録患者数や参加機関数は、平成28年11月末時点の情報を掲載)

運用Step

1.運用に向けた文書作成

運用に必要な文書類は、先行事例(あじさいネット(長崎県)など)などを参考に、くるめ診療情報ネットワーク協議会事務局が案を作成し、理事会の承認を得て決定した。

図表 作成した主な文書類
種類 規程名
くるめ診療情報ネットワーク協議会
  • 協議会参加申込書
  • 協議会規約
  • 運用規則
ID-Link
  • ID-Linkサービス申込書
  • ID-Linkサービス申込書
  • ID-Linkサービス申込書記入例
  • ID-Linkサービス利用約款
患者様用
  • 同意書
  • 同意書送信票
  • 同意撤回書
  • 患者様説明書
  • 出所:くるめ診療情報ネットワーク協議会HPより作成

    2.システム運用保守体制決定

    (1) システム保守内容

    会員からのシステムの問い合わせは、株式会社エスイーシーヘルプデスクが一次受け(平日中対応)をしている。また、同社はシステム保守業務も実施している。システム保守業務では、開示施設に設置されたID-Linkアプライアンスの監視やデータソースからのデータ取得エラーの確認を実施し、その他の問い合わせがあった場合は個別に対応している。

    (2) 問い合わせへの対応方針

    くるめ診療情報ネットワーク協議会事務局で個別対応をするとともに、必要に応じて会員用メーリングリスト、くるめ診療情報ネットワーク協議会のホームページを用いて、広く周知を行うこともある。

    3.参加機関の募集・説明・契約

    (1) 参加機関の募集方法
    1)周知

    ■講演会の開催

    各医師会や参加を希望する医療機関を対象として、アザレアネットの周知を目的とした講演会を開催している。(平成28年度までに8回開催)

    ■アザレアネットホームページの作成(平成25年度)

    タイムリーな情報提供をできるよう、ホームページを開設した。各医師会では、自らのホームページにリンクを設定している。

    ■アザレアネット通信の発行(年2~3回)(平成25年度より)

    アザレアネットに参加していない医師にも周知できるよう、紙媒体での情報提供ツールを作成し、アザレアネットに参加する4医師会のA会員全員に送付している。

    なお、相互連携先であるピカピカリンクと八女筑後医療情報ネットワークの各事務局にも送付している。

    2)参加申込方法

    くるめ診療情報ネットワーク協議会規約、運用規則およびID-Linkサービス利用約款に同意した上で、くるめ診療情報ネットワーク協議会事務局へ、くるめ診療情報ネットワーク参加申込書とID-Linkサービス契約申込書を送付する。これらの書式は全てホームページで公開し、ダウンロード可能にしている。

    手続きが完了すると、くるめ診療情報ネットワーク協議会事務局からシステム設定用のCDと説明書などを送付する。

    (2) 参加機関への教育、訓練

    アザレアネットに参加する4医師会(久留米、小郡三井、大川三潴、浮羽)ごとに、講習会を実施した。また、スターターズマニュアルを整備し、ホームページで公開している。

    閲覧施設では、パソコンとインターネットへの接続環境があれば導入可能であるが、電子証明書のインストールなどが必要となる。このようなパソコン操作などに不慣れな場合には、導入不安を軽減するため、くるめ診療情報ネットワーク協議会の費用負担で初期サポート(接続支援や使用方法説明ほか)を業者に委託している。

    (3) 参加医療機関数

    設立当初は、病病連携、病診連携を想定していた。その後、調剤薬局から参加を希望する意見が出されたため、モデル事業として試行を行ったところ、成果が認められたことから、平成26年6月に「調剤薬局のアザレアネット参加に関するガイドライン」を策定し、一定の条件を満たす薬局の参加を承諾する形式に変更した。なお、介護事業所については現在も認めておらず、多職種連携については今後の課題である。

    図表:参加機関数(平成28年11月現在)
    開示/閲覧 参加機関種別 参加機関数
    開示施設(7施設) 病院・診療所 7施設
    閲覧施設
    (172施設)
    病院 14施設
    診療所 55施設
    調剤薬局 1施設
    訪問看護ステーション 1施設
    他地域医療情報連携ネットワーク
    (ピカピカリンク)
    79施設
    他地域医療情報連携ネットワーク
    (八女筑後医療情報ネットワーク)
    22施設
    合計 168施設
    出所:くるめ診療情報ネットワークHPより作成

    4.参加患者募集

    (1) 同意書取得

    同意書は施設単位で取得している。

    なお、同意書は開示施設、閲覧施設のどちらかが取得することになるが、閲覧施設において取得をする場合の手順は下記のとおりである。

    • ・ 閲覧施設が患者にアザレアネット事業の説明を行う。
    • ・ 患者から同意書を取得する。
    • ・ 取得した同意書を閲覧施設から開示施設にFAXで送付する。
    • ・ 開示施設(地域医療連携室)でアクセス権設定および患者IDの紐付を行う
      (登録終了までに概ね10分程度を要する)。
    図表:同意取得手順(病診連携) 図表:同意取得手順(病診連携)
    出所:くるめ診療情報ネットワーク協議会「くるめ診療情報ネットワーク(アザレアネット)スターターズマニュアル」
    (2) 参加患者数

    平成24年8月時点での参加患者数は1,180人程度であったが、毎年2,000人程度増加し、平成28年11月現在、8,899人まで増加した。

    (3) 普及のための取組み

    参加機関において同意書取得時の利用を想定した患者向け説明用チラシを作成した。(平成27年度)

    また、平成28年度にアザレアネットが久留米広域連携中枢都市圏事業に採択されたため、久留米市を含む4市2町で連携して、住民向けの広報を開始した。具体的には患者向けチラシを行政窓口で配布している。

    なお、平成28年度中にアザレアネットのホームページに住民(患者)向けページを追加する予定である。

    5.評価・課題整理

    (1) 満足度の把握状況

    平成26年度にアザレアネットに参加する4医師会のA会員を対象として、アザレアネットに対する満足度を把握するためアンケート調査を実施した。

    調査の結果、回答者の48%がアザレアネットを「大変有用である」、28%が「有用である」と回答した。一方、課題として多かった回答は、「同意書の取得が面倒」であった。医師が全ての説明を行うべきと考えていた診療所が多かったことが原因であることが判明したため、看護師やクラークによる説明も可能であることを改めて会員に周知した。

    (2) ネットワーク利用状況

    アザレアネットを活用して患者情報が閲覧された回数をシステムで月別に測定して、ベンダから毎月報告を受けている。現時点では毎月16,000件程度の利用件数である。

    6.ネットワーク間連携

    (1) 概要

    平成25年から佐賀県のピカピカリンク、八女筑後医療情報ネットワークと相互連携を開始している。

    ピカピカリンクの場合、連携の背景には、久留米市(福岡県:人口30万人)と鳥栖市(佐賀県:人口8万人)が隣接する中で、県は異なるものの、住民は実質的に同一の生活圏とみなして行動していることがある。特に医療面では、久留米市内の医療機関を受診している鳥栖市民は少なくない状況である。実際、IKI-IKIネットワーク(アザレアネットの前身)時点から、鳥栖市の2つの病院が参加するなど、医療関係者においても医療圏域超えの連携の必要性は認識されていた。

    また、ピカピカリンク側においても、鳥栖市を始めとした佐賀県東部地域においては、聖マリア病院や久留米大学病院等との連携が不可欠という認識がある中で、両ネットワークともID-Link(株式会社エスイーシー、日本電気株式会社)を採用していたため、技術的な問題はなく、円滑に協議は進み、連携がスタートした。

    (注)ID-Link(株式会社エスイーシー、日本電気株式会社)ではデータベースが全国共通となっている。データベース内はネットワーク(ユニオン)単位となっており、ユニオン連携の設定をID-Link内で行えば技術的に連携が可能である。

    (2) 相互連携の方法

    連携自体の合意と技術面では問題がなかったが、以下の点に違いがあることが判明し、検討課題として運用面で調整した。対応策が有効であったため、連携開始後に問題は生じていない。


    ■セキュリティポリシー

    アザレアネットの閲覧施設とのネットワーク種別はSSL接続であることに対して、ピカピカリンクは県の補助を受けて多くの診療所がオンデマンドVPNで接続されていた。本件は、ピカピカリンク側がアザレアネットの参加機関との連携もやむなしと了承することで解決した。


    ■費用負担

    アザレアネットの場合、4医師会が協議会運営費用分(A会員一人当たり500円)を負担することで、4医師会に参加する閲覧施設の年会費を無料としており、4医師会以外の医療機関が参加する場合は、原則として費用負担を求めていた。一方で、ピカピカリンクでは閲覧施設の会費は無料であり、アザレアネットと異なる形となっていた。

    そこで、相互乗り入れの趣旨を尊重し、ピカピカリンクに参加する閲覧施設のアザレアネット会費は、免除することにした。(八女筑後医療情報ネットワークも同じ扱いとしている)


    ■同意書の書式

    設立準備時にピカピカリンクとの連携を想定していたため、アザレアネットはピカピカリンクの書式を採用している。(アザレアネットに続いて設立された八女筑後医療情報ネットワークも同様の書式を採用している)

    なお、書式の見直しについては、アザレアネットとピカピカリンク双方の事務局において事前協議を行っている。


    ■同意取得方法

    ピカピカリンクでは、事務局への同意書の提出はFAX送信のみとしていたことに対して、アザレアネットは誤送信の可能性を問題視する意見もあったことから、郵送、持参も可能としていた。

    しかし、実際には鳥栖市の患者が久留米市に紹介されることが大半で、同意書はピカピカリンクの参加機関が取得することが想定され、鳥栖市からFAXで送ると決めておくことで実質的に問題にならないと想定されたため、ピカピカリンクの運用に合わせることとした。


    ■入会フロー

    アザレアネットの場合は、参加機関から事務局経由でベンダである日本電気株式会社との間でやり取りを行う仕組みに対して、ピカピカリンクの場合は、連携希望先である開示施設経由でベンダとやり取りを行う点が異なっている。

    鳥栖市の病院や診療所が、アザレアネットの開示施設のみを連携希望先として、ピカピカリンクに申し込むのは当初は想定されていなかったが、鳥栖市と地理的に近いピカピカリンクの開示施設(東佐賀病院)において入会手続き業務を引き受けることで解決した。

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