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ピックアップ事例

アザレアネット(平成24年稼働)
くるめ診療情報ネットワーク協議会(福岡県久留米市)
0942-34-4163 公式ホームページ

※平成29年2月時点
(ただし、登録患者数や参加機関数は、平成28年11月末時点の情報を掲載)

全体概要

対象地域 久留米医療圏
構築時の主な関係者 医師会(久留米、小郡三井、大川三潴、浮羽)
関係医療機関(聖マリア病院、嶋田病院、新古賀病院、久留米大学病院)
費用負担
※構築費用はデータ出力対応費を含む
構築費用:
各開示施設が負担しており、全体額は不明
<負担者>
・開示施設
運営主体の運用費用: 2,258千円/年
<負担者>
・開示施設
・各医師会
・久留米市
規模 参加患者数: 8,899人
参加機関数: 179施設
・開示施設 7施設
・閲覧施設 172施設
※病院14施設
診療所55施設
訪問看護ステーション1施設
調剤薬局1施設
ピカピカリンク連携79施設
八女筑後医療情報ネットワーク 連携22施設
[平成28年11月末現在]
病病/病診連携以外のサービス 他ネットワーク(ピカピカリンク・八女筑後医療情報ネットワーク)との相互連携

概要

アザレアネットは、二次医療圏である久留米医療圏を対象としている医療情報連携ネットワークである。久留米医療圏は病院と診療所が多く立地する「医療のまち」久留米市が中心であり、近隣医療圏に対しても医療が提供されている。紹介・逆紹介の迅速化や連携情報の充実が課題であった。病病連携、病診連携の高度化を目的として医療情報連携ネットワークを構築、平成24年8月に稼働した。

具体的には、地域医療連携システムであるID-Link(株式会社エスイーシー、日本電気株式会社)を採用し、開示施設の診療情報を病院、診療所、薬局が閲覧するシステムである。隣接するピカピカリンク(佐賀県)、八女筑後医療情報ネットワーク(福岡県八女筑後医療圏)と相互連携を行っている。アザレアネットの運用により、県域・医療圏域を越えた病病連携や病診連携の「見える化」が進むなど、各種効果が上がっている。

図表:アザレアネットの概要
図表:ピカピカリンク概念図
出所:くるめ診療情報ネットワーク協議会インタビュー内容より作成

特徴

医療情報連携ネットワークの構築にあたり、公的支援を受けず、開示施設である中核病院において構築費用を全額負担している点が最大の特徴である。この背景には、34の病院や300を超える診療所が立地するという「医療のまち」久留米市において、病院にとって診療所とは「紹介先として自院を選んでもらう重要なパートナー」であるという地域特性がある。

このような背景もあり、アザレアネット構築前から、診療所向けサービスをいかに向上するかという観点から、複数の急性期病院が自主財源で診療情報の開示に取り組んでいた。そのような中で、診療所側から地域医療連携システムの乱立を懸念する意見が出たことから、急性期病院(聖マリア病院、古賀病院、嶋田病院)及び久留米大学病院が同じ地域医療連携システム(共通プラットフォーム)を導入することを早い段階で合意し、結果としてアザレアネットの構築に至った。

成功要因

地域で共通プラットフォームを作ることについて医療関係者の合意形成を行うことができた要因は、病院側が経営的な観点から積極的に情報開示に向けて取り組んでいたことに加え、診療所側が電子カルテを導入するなどIT導入へ前向きなユーザーが多かったこと、また、研究会などを通して、診療情報の共有について知見や理解があったことが挙げられる。さらに、地域の中核病院や診療所が病病連携や病診連携の試行(トライアル)を実施したことで、急性期病院、診療所、医師会など多くの医療関係者間において、医療情報連携ネットワークの効果を共有できたことも円滑な合意形成に寄与した。

ネットワーク構築時の苦労

久留米市では、周辺4町を編入合併した平成17年2月以降、医師会が4つ存在する状態が続いている。そのため、まずは、4医師会の一つである久留米医師会に準備委員会へ参加してもらい、病病連携のトライアルを開始したところ、回復期病院と急性期病院の間で素早く情報をやり取りできると参加機関から高く評価された。この成功を受け、久留米医師会が他の医療関係団体に声かけを行うなど、合意形成に中心的な役割を果たした。

また、具体的な運営にかかるノウハウの蓄積にも苦労した。そこで、地域医療福祉情報連携協議会主催のコーディネーター養成講座に運営委員会メンバーの派遣を行うとともに、ID-Link研究会への参加を通じて、他のネットワークの担当者と意見交換を重ねる中で、運営ノウハウの蓄積を重ねてきた。

運営主体からのこれから医療情報連携ネットワークを構築する方へのメッセージ

地域医療構想をはじめとして、より一層の地域連携型医療が求められる現在において、医療情報連携ネットワークは不可欠なツールの1つです。

関係者間の合意形成や資金面の確保など、決してハードルは低くありませんが、限られた医療資源の中で、地域医療を守り、育てていくために頑張ってください。

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